好き#2『merveilles(MALICE MIZER)』

初めてMALICE MIZERを聴いたのは、父の運転する車で流れるラジオだった。
「なんだこのイイ感じの歌謡曲は」と思ったら、三宅裕司が「MALICE MIZERで『au revoire』でした」と。マジかよ裕司、と。イロモノだと思って敬遠していた自分を恥じたね。身体は後部座席にいたけど心では土下座してた。

そこから『ヴェル・エール』に遡ったり、「『月下の夜想曲』って悪魔城ドラキュラじゃん!」とか盛り上がったりしつつ、そんな中で出たアルバムが『merveilles』。発売日に買って聴きまくった。

俺は「知らない場所に連れていってくれるような音楽」が好きなんだけど、このアルバムはまさにそうで、時間も空間も超えて、曲の数だけ違う景色を見せてくれる。
好きな曲を挙げるなら…と思ったけど、選べない。ホントに。
強いて言うなら『エーゲ』の入り。映写機の回る音からギターのアルペジオ〜ベースが入って一気に世界が広がっていく感じなんかは、今聴いてもワクワクする。ビジュアル系とか関係なしに、割と特別な1枚。

「テメェ、ひとつ前の日記でGACKTのこと悪く言ってたくせに何てのひら返してんだ」と思う方もいるでしょう。
逆に考えて欲しいんです。俺は今のGACKTさんのことを本当に全然好きじゃないし無限に悪く言えますが、それでもこのアルバムの輝きは全く褪せることがない。それって凄いことだと思いませんか。
もし聴いたことがないという方がいれば、是非一度聴いてみて欲しい。そんな素晴らしいアルバムです。

余談になるけど、アメリカのバンギャルの子が「マリスマイゾゥ」って言ってて「そっちじゃそうなるんだ」って思った。
あの子、元気してるのかな。
今もマイゾゥ聴いてるのかな。
俺は聴いてるよ。マイゾゥ。