孤独の病院食・2日目

時間や社会に囚われず、病院で空腹を満たすとき、つかの間、彼は自分勝手になり、自由になる。
誰にも邪魔されず、気を遣わずものを食べるという孤高の行為。
この行為こそが、入院患者に平等に与えられた最高の癒し、と言えるのである。

※これは入院当時の記録であり、記事投稿時点で本人は退院しています。

  • お茶。普通に美味しい。体が目覚める感じがするなー。
  • パンは軽くトーストされていていい感じ。しかも2個もある。健康になりすぎてしまいそうだ。
  • ブルーベリージャムも、わざとらしく甘さ控えめって感じじゃなくて悪くない。ヨーグルトにも入れてしまおう。
  • ヨーグルト単体でも美味いけど、ブルーベリーの風味が加わるとまた格別だ。野菜ジュースと合わせると、まさに牧場の朝って感じだ。ま、ここは病院の朝だけど。
  • サラダにかかっているのは…しそドレッシングだ。朝からこってりした味だと疲れてしまうから、これくらいでいいんだよ。
  • オムレツは、余計な味付けがないシンプルなやつ。これはこれでケチャップとハムで自分好みの味付けにできていい。食べ手の技量が試されるけれど、こういうのも悪くない。
  • パンにオムレツとハムを挟もうとしたら大失敗してしまった。食べ手の技量、ゼロ。

  • 玉ねぎの味噌汁って決して王道ではないけれど、なんだかほっとするんだよな。細切りのジャガイモもいい。食べていると、なんだか北海道を感じる。北海道、行ったことないけど。
  • いんげんとしめじの炒め物。薄味だけどいい仕事してる。パプリカの彩りもナイス。
  • これは…なんだ?ペンネと、ネギと、コーンと、かにかま…?初めて食べるけれど、それぞれの素性が知れてるから安心して食べられるな。
  • ひじきと豆の煮物に和えられている謎の食材。コイツの存在が、いかにも病院食って感じを演出してくるな。
  • キャベツをめくったら蓮根が出てきた。口にするとほんのり柚子が口を通過していく。春っぽい料理だ。外の景色を見れない分、こういうところで季節を感じられるのはいい。
  • おひたし。これにしてもひじきにしても茄子にしても、全体的に妙なとろみがついている気がするのだが、これは飲み込みやすくするためなのだろうか。まあ、いいんだけど。
  • メインの焼き魚。味が…薄い。淡水育ちなんだろうか?そういう問題ではないんだろうけど。「君も早くここの水(味つけ)に慣れなよ」という、魚からのメッセージを感じる。大丈夫、割と楽しんでるから。長居もしたくないけれど。

  • 卵焼きのそぼろあんかけ…そういうのもあるのか。微妙かと思ったけど、米と食うと実質二色そぼろ丼。これはいいぞ。こうやって食の因数分解をすると、新しい目線で料理を楽しめるから良い。
  • ツナといんげんは優しい味わい。ところどころの黒ごまが、全体的に優しい病院食に香ばしさを連れてきてくれる。
  • コーンはいい箸休めだ。青のりのひと工夫が嬉しいじゃないか。
  • ほうれんそうももやしも、意外としっかり味付けしてあるんだよな。普通に米が進んでしまう。病院食、あなどりがたし。うっかりしているとメインディッシュにたどり着く前にごはんがなくなってしまいそうだ。
  • メインの牛皿。…ウマい!このまま米に乗せてかっこんでしまいたくなる味だ。しかしそんなことをしてしまったら最後、残った大量のおかずを前に身動きが取れなくなってしまう。ここは大人しくペースを守ろう。
  • 牛皿脇のサイコロ状の白いヤツ。何の味も付いていないお豆腐だった。真の箸休めはコイツだったのか…。