うな重の米

いきなりパーフェクト偏見の話で申し訳ないんですけど、うな重の米って卑屈じゃない?
本当にすいません。でも、うな重の米って、卑屈じゃない?
なんというか、うなぎのご機嫌を伺ってるというか、もっと言うと媚びてるっていうか。カツ丼や天丼とは明らかに違う空気感がある。

そもそもの問題として、まずうなぎ自体がちょっとお高く止まってるように見えるっていうのもあると思う。
「私、こんなお重に収まる器じゃないですけど?」的な。
なんなんだろう。ごんぎつねにびくの中から逃がしてもらって生存者バイアスかかってんのかな。蒲焼になってることにすら気づいてないのかもしれない。

で、米も米でそんなうなぎを受け入れちゃう。理解のある米くんになっちゃってる。
タレのかかった部分は「あっし、うなぎさんのタレご飯になれただけで十分でさぁ。ほな…」って感じだし。天丼の時は「おいおいおーい!これっぽっちのタレで俺を食えるのかい?」なんてイキっているのに。
タレのかかってない白米の部分も「いやいやいや!大事なうなぎさんの身ですから!ちょっとでいいんで!あとは山椒でなんとかするんで!好きです!」なんて具合に、増長するうなぎをさらに調子づかせちゃう。カツ丼の時は「旦那ぁ!豪快にかっこんでくだせぇよォ!!」なんて気前のいいこと言ってたのに。
うなぎ相手だと、ちょっと場の空気が変わっちゃう。

いいかい学生さん、うなぎをな、
うなぎをいつでも食えるくらいになりなよ。
それが、人間えら過ぎもしない貧乏すぎもしない、
ちょうどいいくらいってとこなんだ。

こういうことを言ってくれる大人がいれば違うのかもしれない。でもいないから。

なんて考えている間に来た。

美味しい。
たぶん、何も考えないで食べたらもっと美味しい。