
時間や社会に囚われず、病院で空腹を満たすとき、つかの間、彼は自分勝手になり、自由になる。
誰にも邪魔されず、気を遣わずものを食べるという孤高の行為。
この行為こそが、入院患者に平等に与えられた最高の癒し、と言えるのである。
※これは入院当時の記録であり、記事投稿時点で本人は退院しています。
朝

- 一面のサンドイッチ。「こういうのもあるのか」が来たな。昨日せっかく身につけた「ロールパンを上手に割るスキル」が活かせないのは残念だが、食べやすいに越したことはない。
- 軽食という名の通り、俺はサンドイッチというものを軽い気持ちでパクつくような「隙間に食べるもの」として認識していたけれど、いざメインを張られるとこれはこれで悪くない。
- サイズ的には市販品の半分くらいだろうか。「コンビニだとこれくらいだったな…」という気持ちで2つを合わせてみたら、元の形になった。

もっと上手に騙してくれ。 - 食べやすいに越したことはない(2回目)けど、食後1時間でもう、腹が、減った。
昼

- 赤いカップは昨日に引き続きカレーか。とろみがないようだけど、ドライカレーみたいな感じなのかな。…違う。…なんだ?これは…なんだ?うまい。ちゃんと素材の味もする。…なんだ?
- カップの両サイドは温野菜。素性が知れているだけで安心感があるな。緑は小松菜だろうか。ここにきて初めての苦味。悪くない。
- スパゲティは不思議な味つけ。昆布が入っているからジャンルは和なんだろうけど、シナモン系のスパイスも感じる。隣のハンバーグからうつったのだろうか。そんなことあるか?
- メインはハンバーグ。こういうのでいいんだよ的なホッとする味つけ。上に乗っている信号機色のパプリカもまたいい彩りだ。俺は今、社会的に赤信号でお休み状態なわけだけど、思えばずっと、信号無視をしているような状態だったんだろうな。ちゃんと青信号になるまで、もう少し休んでいよう。隣の人のいびきは相変わらずうるさいけど…。
夜

- 豆だ…。まず目を引く、大量の豆。彩りのグリーンピースもまた豆。豆&豆。元気BeanBeanになれというメッセージなのか。違うだろうな。
- 昨日ぶりのおからは量が3倍くらいに増えていた。俺のトレーの上に居場所を見つけたろだろうか。豆と並んで薄味なので、切り干し大根とピーマンで味に変化をつけて食べ進めていくことにする。
- メインはエビと卵の炒め物。薄味だが、あさりの旨みがそれを補っている。あさり、いい仕事してる。
- お腹も満たされたし、あっさりと眠りにつきたいけれど、今日は隣の人、大人しく寝てくれるだろうか…。
