魔力の喪失、アビリティの本質

年が明けて初めて実家に帰った。
そこで姪っ子ちゃんに何の気なしにこう言った。

伯父さん
伯父さん

姪っ子ちゃんは魔法が使えるもんね

姪っ子
姪っ子

最近は使えないの…

何があった?

去年までは魔法が使えると言ってたじゃない。一体何があったの?誰かに何か言われたの?コトと次第じゃタダおかねぇ。
荒ぶる伯父さんには目もくれず、姪っ子は続けた。

姪っ子
姪っ子

最近は、ずっとプリキュアやってるから

どういうこと??
プリキュアをやってるなら、イコール魔法が使えるってことでいいんじゃないの?
と思って話を聞いてみたら、全然違った。

プリキュアの中でも『ふたりはプリキュア』のキュアブラックは肉弾戦がメインだし、『キラキラ☆プリキュアアラモード』のキュアカスタードは「スイーツは化学です!」というようなキャラだし…と、その力の本質は様々らしい。

言われてみれば確かにそうだ。
俺がやったことをFF5のアビリティで例えるなら、「モンクの“けり”」と「くすりしの“ちょうごう”」を、全部「まほう」で片づけてしまうようなものだ。そんな乱暴なことがあるか。

姪っ子は、自分の好きな世界をとても細かく分析して、把握しているんだな。
そんな気がなかったとはいえ、結果的に安易な子供だましをしようとしてしまっていた自らの浅はかさに気づかされてしまった。
ごめんよ姪っ子ちゃん。
そんな今の俺に使えるアビリティは、これしかない…。

俺は懐からポチ袋を出し、お年玉を「ぜになげ」した。
あけましておめでとう。

(おわり)