昨日電車に乗っていたときのこと、男性2人と女性1人が途中から乗ってきました。年の頃は皆さん60~70代といったところでしょうか。
男性1人と女性1人が席に座って、もう1人の男性はその正面で立っています。
座った男性が立ったままの男性に向かって「お前も座ったら?」と言うけれど「まだまだ俺は若くいたいからさ」と、やっぱり立ったまま。座席も空いているのに何とも熱い人です。
でも確かにこの男性、顔立ちからしてどことなく熱いオーラが出ている気がする。そういえば声からもそこはかとない熱気のようなものを感じる…感じるゼーット…って
アニキ!アニキじゃないですか!
俺の目の前に立っていたのはアニメソングの帝王、アニキこと水木一郎さんでした。
きっと気づいた瞬間の俺は空にそびえる鉄の城を見たときよりも、怪鳥ロプロスが空を飛んでいるのを見たときよりもビックリした表情をしていたことでしょう。
ワァン…プラスワァン…でギブアップしそうな心を抑えつつ
み、水木さんですよね
恐る恐る訊ねると、アニキは笑顔で対応してくれました。なんて気さく!まさに心は月面宙返り(ムーンサルトり)で空中回転です。
い、いつも聴いています
社交辞令でもなんでもないです。久々に本当のことを言った気がしました。
自己紹介に留まらず、アニキは「うちの兄弟です」と、ご一緒していた方の紹介までしてくださいました。座っていた男性も俺の方を見て挨拶をしてくださいました。
兄です
アニキのアニキだ!
一郎という名前からてっきり俺はアニキは長男だと思い込んでいました。しかしボルテスVだって主人公の名前が健一なのにも関わらずハイネルという兄がいたし、当時のアニメ界ではこういうことはままあるのかもしれません。
そうなんですか…
ろくに言葉が出ません。これは別に緊張していたからじゃなくてロボットだからマシーンだからです。本当は緊張でわけが分からなくなっていました。ダダッダー!
アニキのアニキさんは、そんな俺に隣の女性も紹介してくださいました。
家内です
そうなんですか…
同じリアクションしかできないのはきっと俺が人間とアクマ族の間で心が揺れていたからです。
こっちからあんまりベラベラ話しかけるのも迷惑だろうと思い、それ以上はこっちから声をかけることもなかったんですが、せめてサインだけ貰おうとタイミングをうかがっていました。
(次の駅を過ぎたら…よし、今だ!)
俺がやるのさバンババンと腕を差し出そうとした瞬間、アニキ御一行はブロロロローンと降りて行ってしまいました。
残念だったけど「ありがとうね」と降りる時まで優しいアニキに感動したまま、頭の中ではかりあげクンのオープニングテーマがこだましていましたとさ。
- マジンガーZ(『マジンガーZ』OP)
- バビル2世(『バビル2世』OP)
- 斗え!ゴライオン(『百獣王ゴライオン』OP)
- ゲームセンターあらし(『ゲームセンターあらし』OP)
- 父をもとめて(『超電磁マシーン ボルテスV』ED)
- おれはグレートマジンガー(『グレートマジンガー』OP)
- 勝利だ!アクマイザー3(『アクマイザー3』OP)
- 鋼鉄ジーグのうた(『鋼鉄ジーグ』OP)
- ぼくらのバロム・1(『超人バロム・1』OP)
- 夜の銀ギツネとタヌキ(『かりあげクン』OP)
人生でただ一度アニキと会った時の話。
スタジオに遅刻して向かう電車だったんだけど、人生で唯一「遅刻してみるもんだ」と思えた出来事でした。
手が震えてメンバーへの詫びメールが打てなかったのをまだ覚えています。
またいつか会えるといいなあ。