そんなことよりスイカのゲーム

妹にラインをしたら「そんなことより」くらいの勢いでスイカゲームを薦められました。曰く「ずっとやっちゃう」とのこと。
流行ってるとは聞いていたけど、まさか身内に中毒者がいたなんて。自分とは関係ないと思っていました。
軽い気持ちで『面白いの?』とは聞いてみたものの…。

数時間後、大量の果物に溺れている自分がいました。

ダメだこれ。ずっとやっちゃう。
同じ果物をくっつけると1つ大きな別の果物に。それをまたくっつけて…みたいなシンプルなゲームなんだけど、だからこそ延々とやってしまう。謎の箱型空間の中で果物エントロピーが増大し崩壊していく様子を、薄笑みを浮かべた支配者(=八百屋)の顔で眺めちゃう。

果物の顔がかわいいのもよくない。
以前ニュースで見た合成麻薬の錠剤は、可愛いキャラクターの形をしていた。心理的ハードルを下げ、中毒者を増やす目的があるんだろう。
これも仕組みは同じだ。ダンボーのような顔のリンゴ、山田邦子のイラストみたいなパイナップル。どれも可愛い顔をして俺を毒牙にかけようと狙っている。
「その手には乗らないぞ」と思っていても、あと1回もう1回とズルズル続けてしまい、気づけばよだれを垂らしながら、落ちて、くっつき、跳ねる果物を見て「あー」だの「うー」だの言っているのである。中毒者一丁あがりである。これに慣れたら、そのうち白い粉が流れ落ちる様を見るだけでも幸福感を得るようになってしまうのだろう。恐ろしい話だ。

そりゃ妹も、俺のメッセージそっちのけでこのゲームを推してくるわけだよ。

明らかに誕生日を祝っているんだけど、自分が誕生日だってことすらもう分からなくなっちまってるんだ。
だとしてもおめでとう。