ルーツってなんですか?

バンド経験者が集まると「ルーツってなんですか?」みたいな話になることがある。
このルーツというのは当然「音楽ルーツ」の話なので「小3の時に裏山の秘密基地で見つけたエロ本ですね…」などと性のルーツを答えてしまうと、その日のあだ名が「スーパー写真塾塾長」になってしまいます。

しかし。
俺は答えに困ってしまうんです。理由は簡単。ハッキリと「これがルーツだ」と言えるほどの存在が思い当たらないから。
もちろんB’zとかLUNA SEAとか、そのへんは通ってきたけど。好きだけど。ルーツを語る場って、大体「ルーツいち武道会」みたいな、お互いデカめの感情を持ち寄って殴り合って分かり合おうやみたいな側面もあったりして。そうなるともう、俺の戦闘力はたったの53万程度しかないので。あっちが大体2兆とかで殴ってくるので、もう消しカスすら残らない。

それでも何かしら有るんじゃないかと思って色々と考えてみたんですけど。
結果から言うと、俺の音楽ルーツはマリ姉なんじゃないかと思うんです。声優の國府田マリ子さんです。ママレード・ボーイでお馴染みの。

なんで声優?ってなるかもしれません。まあ聞いてくれ。
マリ姉は初期のアイドル的ガールポップ路線から徐々にアーティスト路線へと舵を切っていくんですけど、今思えばどちらも素晴らしいメンバーがバックアップしていたんです。
初期の曲で言えば、近年『真夜中のドア』が世界的に再評価されてる松原みきさん。
作詞は自身で書いたものも多いけど、その手ほどきをしたのは戸沢暢美さん。
そこから徐々にアーティスト色を強めていく中で亀田誠治さんや井上うにさん西川進さんの椎名林檎組が合流していったり、あとPIERROTのアレンジを多く手掛けられてた西脇辰弥さんも外せないし、当然コナミ矩形波倶楽部の存在も重要だし…とか、他にも数えあげたらキリがないくらい一流も一流のアーティストが「アーティスト・國府田マリ子」の世界を作り上げていて。当時は何の気なしに聴いていたけど、今思えばそれはとても贅沢なことだったし、間違いなく俺の音楽的な素地を作ってくれた気がするんです。

とはいえよ。
今のオタクの早口言葉みたいな主張をそういう場で言えるかというと話は別ですよ。
その場で求められるのって「声優さんなんですけど、実は凄くて…」みたいな話じゃなくて「レッチリです」の一言で分かり合える何かじゃん。

だから俺は、こう言うしかないんです。
「小3の時に裏山の秘密基地で見つけたエロ本ですね…」と。