
時間や社会に囚われず、病院で空腹を満たすとき、つかの間、彼は自分勝手になり、自由になる。
誰にも邪魔されず、気を遣わずものを食べるという孤高の行為。
この行為こそが、入院患者に平等に与えられた最高の癒し、と言えるのである。
※これは入院当時の記録であり、記事投稿時点で本人は退院しています。
朝

- 最後の朝食。メニューは3日目の再放送だ。
- この1週間、色んなメニューで楽しませてもらった。その締めくくりがリピートというのもなんだかいいな。
- というわけで感想も前回と同じわけだけど、違うのは俺の体調だ。前回より圧倒的に健康な身体で食う鮭、美味い。
- そういえばこの海苔は浜乙女なんだ。東海地方の皆さんにはお馴染みらしい浜乙女。謎の巨人が出てくるCMをYouTubeで見たことがあるけど、ああいうローカルCM、好きなんだよな。とんとテレビを見なくなってしまったけれど、ああいうCMは今もあるのだろうか。
- 最後の朝食かと思ったけど、明日の朝も病院で食べるんだった。勝手に締めくくった気持ちでいてしまった。
昼

- 昼食は正真正銘これで最後。メインは鶏肉だけど、この味付けはなんだろう。コンソメの効いた…ポトフだ!
- この1週間、おかずとして固めのスープが何度か出てきたけれど、どれも付け合せ的なポジションだった。それがここにきてついにメインを張っている。俺が健康になっている間に、お前もプレートの端役から主役へのし上がっていたのか。全然そういうわけではないんだろうけどなんだか謎の一体感を覚えるな。
- 付け合せのスパゲティも、過去イチでパンチの効いた味付け。なんでかは分からないけど美味いからいいか。
- お味噌汁は打って変わって優しい味。薄切りの大根が入った味噌汁、好きなんだよな。
- 枝豆もコーンも、たくさんお世話になった。ほぼ毎食くらい入ってたんじゃないだろうか。一瞬、今生の別れのような名残惜しさを感じたけど食べようと思えばいつでも食べられるのか。
翌朝

- 今回の入院では、正真正銘これが最後の食事。
- 入院中のことを思い出しながらサンドイッチを噛みしめる。隣の患者さん、いびきがすごかったな…。入院中にやろうと思ったモンハン2G、思ったより進まなかったな…。あとは基本的に暇だったな…。いかん、思い出が薄味だとサンドイッチまで味がしなくなってしまいそうだ。ここは味集中カウンター。集中、集中。
- チーズはんぺん、久しぶりに食べると美味いな。日頃自分から積極的に食べようという衝動があまり起こらないメニューだから、こういう不意のチーズはんぺんは嬉しい。
- 植物類も安定の美味しさ。お世話になりました。
そして退院へ……

そんなわけで退院しました。あれから2カ月近く経ちますが、なんだかんだ元気です。それもこれも看護師さん、調理師さん、主治医の先生、お見舞いに来てくれたみんな、そして何より弱っている俺に電話を通してパワーを送ってくれた人のお陰です。
ただこの連載、スグ終わらせる予定だったのに思ったより時間がかかってしまいました。気づいたらライブまで1週間もないじゃないの。ポチった衣装が全部ライブ後に届くとのことで絶望していますけど強く生きます。そしてなんとかします。
最後になりましたが、パワーをもらえた電話の内容をみんなにも教えます。みんなにもパワーが届きますように。アアアアアアア…。
はじめての入院・宇宙のパワー編~完~

